古典籍移管中止の請願採択後の処理を問う

○(寺島英毅委員長) 
 次に、採択された請願の処理状況について質疑を行います。
 さきの第331回宮城県議会において採択された請願番号330の3「宮城県図書館資料の東北歴史博物館への移管の即時停止並びに移管決定に到る手続きの公開に関することについて」について、お手元の配付の採択請願処理状況のとおり執行部から報告がありました。
 このことについて、教育長の説明を求めます。
◎(教育長) 
 第331回宮城県議会において採択されました宮城県図書館資料の東北歴史博物館への移管の即時停止並びに移管決定に到る手続の公開に関する請願の処理状況について御説明申し上げます。
 県教育委員会では、本請願が採択されたことを踏まえまして、県図書館所蔵資料の東北歴史博物館への移管作業を停止いたしました。今後はさまざまな立場の方々から御意見をいただきながら、図書館所蔵資料に係る適切な評価、管理、利活用、方策等について論点整理を行い、その後専門家の知見も踏まえ、中長期的視点に立った図書館所蔵文化財資料等の取り扱いについて幅広く検討してまいりたいと考えております。
○(寺島英毅委員長) 
 教育長の説明に対する質疑を求めます。
◆(仁田和廣委員) 
 今教育長がお話しされた現行は僕は納得するのだけれども、既に移管をしていた場合、それから例えば養賢堂文庫にしろ、いろいろな文庫自体がばらばらになっていれば、その資料を見たい人たちも両方に行かなければならないことになるから、その辺の処理はどう考えているのですか。既に東北歴史博物館に移管した物と関連性がある場合にはどういうふうにするのですか。僕としてはできるだけ可及的速やかにもとに戻して、従来のような拝観、閲覧ができるような方向が望ましいと思うのですけれども、その辺はどうですか。
◎(教育長) 
 本年の2月だったと思いますが、今回問題となっておりました11万点の一部について、宮城県図書館から東北歴史博物館への移管を実施をいたしました。その移管した物は、具体的には絵画とか工芸品とか文書であります。さまざまな物が含まれてございます。それを今後どうするかということについては、図書館側と博物館側とで協議をした上で、それを踏まえて今後の取り扱いを決めたいと思っております。
◆(仁田和廣委員) 
 総体的にはそれでいいのですけれども、ただ、先ほど言ったとおり、養賢堂文庫の一部が行っていた、その関連性のある物がもう既に東北歴史博物館に行っていたとなると、今後閲覧なり、拝観、いろいろなことに不便を来す場合もあるし、また、資料として同じところにすべてが整っているというのは、図書館の魅力でもあると思うのです。多分この請願者の趣旨からいうと、そのまま移った物はもう火事場泥棒と同じでしようがないだろうということであれば、再度の請願も僕はあり得ると思うので、その辺は教育長の配慮のもとに、例えば一つの独立したものであれば、どちらかに行けば見られるということであれば、僕はそれでも構わないと思うけれども、関連したものが行っていたら、可及的速やかに宮城県図書館に戻すべきだなと思いますので、その辺今後配慮してください。
◎(教育長) 
 私どもが受けている報告としては、既に移管した物の中に養賢堂文庫とか、伊達文庫とか、青柳文庫とか、そういったものの一部といいますか、それを構成する資料が含まれているということではないと。それと別な資料が移管されたと聞いておりますが、そこら辺も今後の協議の中で確認の上、必要な対応をしていきたいと思います。
○(寺島英毅委員長) 
 私から一言あるのですが、図書という場合には、これは絵画と書物。それで甲冑武具とか、工芸品とか古文書、これらの移管は余り問題ないと思うのですが、その絵画、坤與万国全図を含めてどうあるべきなのか、その辺は慎重にひとつ検討していただきたいと思います。
 採択された請願番号330の3の処理状況については再度の報告は求めないということにしてよろしいか伺います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 では、そのようにいたします。
 以上で、採択された請願の処理状況について終了いたします。