古典籍移管中止についての請願採択
○(寺島英毅委員長)
請願番号330の3、宮城県図書館資料の東北歴史博物館への移管の即時停止並びに移管決定に到る手続の公開に関することについての質疑を求めます。
◆(本多祐一朗委員)
前回も質問させてもらいましたけれども、どう考えても疑問なのです。図書類というのは本来的には図書館に置いておくべきだというのはある意味常識だと思いますし、批判の対象になっている青柳文庫とか養賢堂文庫とか、いわば宮城県図書館の基礎になった、始まるときの、発祥するときの文庫を移してしまうということになると、宮城県図書館としても非常に存在意義が問われてしまうのではないかと思うのです。図書を移していく理由として文化財指定を促進するという話もありましたけれども、今までの文化財指定、図書類の経過を聞いてみると、宮城県図書館自体が努力をして相当やってきているわけです。そういうことをやってきたことに対して一体どういう評価をしてきたのかという疑問もあります。スペースについても、宮城県図書館が狭い、展示スペースなどもないというような話もしています。そんなことも全くないのであって、その理由もよくわからない。というようなもろもろのことを考えていくと、早急に歴史博物館に移していくということについては、私は疑問が残ります。あわせて、しっかりと関係者とのいろいろな協議が必要ではないかと思いますので時間をかけて、これはもう一回白紙に戻した上で議論をし直す必要があるのではないかと思います。その点について教育長から御見解を改めて伺っておきたいと思います。
◎(教育長)
前回の委員会でも申し上げましたが、この問題は急いでやらなければならないという性格の話ではございませんので、私どもの意図を、今この問題を心配していろいろ動いていらっしゃる方々と意見交換するというふうな努力を重ねて、十分時間をかけて御理解いただくような努力をしていきたいと思います。
◆(仁田和廣委員)
採択、結果を出す前に一言だけ。この予算については遺憾ながら我々認めてしまったわけです。その重さもあるし、あとここで請願がもし採択されたとしたら、その予算の執行やいろいろなことを考えながら、今教育長が言われたように、時間をかけてやってもらいたいということで採択になるような形で臨んでください。これは我々も謝らなければならないところがあるのです。そうでしょう、本多委員。
○(寺島英毅委員長)
その辺は発言の趣旨を理解いただいて、慎重にあとよろしくお願いしたいと思います。
◆(加賀たけし委員)
前にこの問題が出たときに、図書館協議会と議論をやっていなかったいう問題で、それはちょっと−−少なくとも図書館の運営全体を取り仕切る、そういう協議会で論議しないのはどうなのかというお話をしたことがあります。そういうことでいろいろな方々も言っているわけですが、この間はそういう委員の方と、議会でも出ている、何回も議会で論議されているこの問題についてやってこなかったのですか。もう近々やるようだという話も聞くのですけれども、ちょっとこれはずっと前からそういう話になっているのですから、遅いのではないですか。
◎(教育長)
以前の委員会でもお話をいたしましたが、今回の資料の図書館から博物館への移管ということにつきましては、平成11年と平成13年に同様の措置を講じてきている例がございまして、その際は今回と同じように、特に図書館協議会でこの問題を議論するということはやってこなかったという経緯がございまして、それと基本的には同じような流れで今回も進めたということでございます。しかしながら先ほどお答えしたように、関係者の御理解は十分いただくべく努力は重ねていかなければならないと思っております。
◆(加賀たけし委員)
それは恐らく中身によって違ってくると。先ほど本多委員が言ったように、非常に重要な文庫関係だとかそういうものになってくると、図書館の命的なところがありますし、その図書館の価値、県図書館の価値、レベル、そういう問題にもなってきますから。これは重要な問題ですから。そういう意味では、今までのちょっとした課題とは違った図書館自体の問題ですから、これは真剣に、別に特段の配慮をするということで、図書館の協議会を開いてきちんとやるべきだと思いますけれども、いかがですか。
◎(教育長)
どういう形でその御理解を得ていくのがいいのか一度検討したいと思いますが、いろいろな形で御意見をいただきながら、今後私どもも虚心坦懐に検討していきたいと思います。
○(寺島英毅委員長)
質疑を終了いたします。
続いて、採決を行います。いかがいたしますか。
〔「採択」と呼ぶ者あり〕
請願番号330の3については、採択すべきものと決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
請願番号330の3については採択すべきものと決しました。