「古典籍移管」予算の明許繰越の承認

◎(教育庁参事兼生涯学習課長)
 第330回宮城県議会議案の19ページをお開き願います。
 教育費中段、第9項社会教育費でございます。社会教育施設整備事業として総額1億6060万円のうち、生涯学習課分といたしましては3件、1億1560万円の明許繰越の承認をお願いしようとするものであります。
 その一つは、先議案件でありました地域活性化・住民生活に光をそそぐ交付金を財源といたしまして実施する図書館と美術館の施設整備などの拡充整備につきまして、翌年度に予算を繰り越して整備するということで繰り越しをお願いしようとするものであります。
【中略】
○(寺島英毅主査) 
 生涯学習課長の説明に対する質疑を求めます。
◆(仁田和廣委員) 
 最近、青柳文庫及び養賢堂文庫を、歴史博物館に移そうと。
 原因は、薫蒸とか文化財保護の面、いろいろ考えられると思うのです。図書館の運営とか施設整備の中での問題点も若干あるのかなと思っていたのだけれども、このぐらいの減額をしながらだから、その辺の状況はどうですか。今後、各会派から意見書なりが出てくる可能性があるのです。その前段としてこの整備内容との整合性をお話しください。
◎(教育庁参事兼生涯学習課長) 
 住民生活に光をそそぐ交付金のときにも質問がございまして、お答え申し上げておりましたが、従来から図書館では一般の図書所有に加えまして、青柳文庫とかそういったものを収集保存してきたということであります。今回の移管については、図書館がこれまでやってきた管理保存や調査研究をそれはそれとして評価しながら、これからさらに保存資料の適切な評価をするために、博物館に移管して調査研究を進めて、場合によっては必要な部分は文化財指定なりをやっていこうというものであります。今回の予算の中にも若干図書資料の整理等々も入っておりますが、そういった成果は成果として博物館にそのまま引き継いでいかなければならないと考えております。
◆(仁田和廣委員) 
 前段の国庫の関係のときに、もちろん説明を受けたけれども、こういう中身の議論や図書館の現状の説明がないままに何となく予算を通してしまった経緯もあるのですが、もう少し親切丁寧な説明が欲しかった。ただ、今の質問の趣旨は、現状で図書館整備、このぐらい余してもできているのですかということなのです。
◎(教育庁参事兼生涯学習課長) 
 減額補正しておりますが、今年度予定していた図書資料については計画どおりに終わっております。その上で予算が余ったので減額をさせていただいたということです。
◆(仁田和廣委員) 
 文献の学術委員とかになっている学芸員は歴史博物館の方にいるのだろうけれども、資料もそろっていて、過去には青柳氏が寄附をしている文庫の現状、図書館の維持費等々は間に合っているのですか。十二分ということで理解していいのですか。
◎(教育庁参事兼生涯学習課長) 
 移管する理由は、委員がおっしゃるように、まず、調査する専門家が学芸員という形で歴史博物館にいるということが一つあります。物理的機能の部分でも、図書館ですと限界がありますが、それよりはきちんとした保管機能を持っていて、さらには展示室も相当広いというところが歴史博物館でございます。そういったところに移管して、学芸員の調査研究に基づいた成果を生かしながら、きちんと県民に情報提供していくべきだろうということで考えております。