住民生活に光をそそぐ交付金で「古典籍移管」の搬送費を要求(1)

◆(菊地恵一委員)
 次に、東北歴史博物館資料活用推進費でございますけれども、今回は図書館から貴重な歴史的資料を移転してということでお話があったようでございますけれども、具体的にはそれがどのようなものなのか。
 また、その資料が図書館にあったという、その経緯についてお尋ねをいたします。
◎(教育長) 今回、東北歴史博物館に移管される資料でありますが、国指定重要文化財坤輿万国全図、それから県指定文化財国絵図等、文化財として重要な価値が認められるもので、古文書、古絵図、絵画、工芸品など、総数約十一万点であります。
 県図書館にある歴史的貴重資料は、県図書館の前身であります明治十四年に設置されました宮城書籍館−−「書籍」と書いて、当時は「しょじゃく」と読んだそうでありますが、この宮城書籍館に、仙台藩の藩校である養賢堂でありますとか、青柳文庫から引き継がれたものが大半であります。
 図書館にこうした資料が多く収蔵されてきた経緯といたしましては、あるいは背景でありますけれども、近年まで県立の博物館等が未設置でありましたことから、県図書館においてこうした文庫を初め絵画、古文書などの資料や絵画などの美術品等を積極的に収集し、保管してきたものでございます。
◆(菊地恵一委員) そうしますと、江戸から明治にかけてということの資料ということになるようでございますけれども、今回多数の資料が東北歴史博物館に移転されたことで、具体的にどのようにその資料が活用されるのか、図られるのか、その点を確認させていただきます。
◎(教育長) 御承知のように、東北歴史博物館には専門の学芸員がおるわけですが、その学芸員による整理・研究を進めまして、その成果に基づき特別展あるいは種類ごとのテーマ展示という形で積極的に公開し、貴重な資料を県民の皆様に広く紹介してまいりたいと考えております。
 また、特に重要な文化財につきましては、国あるいは県の指定を積極的に進めまして、この評価の定着を図ってまいりたいと考えております。